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09年にテスコがインド進出します。

一方はキャッシュ&キャリータイプの大型店で、ムンバイに1号店を出します。もう一方は、タタ・グループの小売部門であるトレントとの間で独占的なフランチャイズ契約を結び、トレントのハイパーマーケット型スーパーに商品や店舗ノウハウを提供し、手数料収入を得る形式です(*1,*2)。直接進出でないことの背景は、インドの「外資の小売参入規制」によるものです。新規に解説する卸売店を通じて、トレントの大型スーパー「スター・バザール」に商品を供給予定です。トレントは現在4店舗で、5年で50店舗まで拡大を計画しています。

Wal-Martもバルティグループを提携先に合弁会社を設立し、卸売業態で09年進出予定です。2-4月に4000-9300平米規模の卸売1号店をインド北部に開業予定です。WMインド事業トップで合弁会社CEOのラージ・ジャイン氏は「09年に3-4店を出店、当初7年間で10-15店を開設」と語っています。卸売店業態ということもあり、日本や中国での出店計画と比べると、とてもスローな印象です。規制緩和を絡めて、小売店の計画は別途、というところでしょうか。テスコ同様、提携先のバルティグループの小売へ事業支援もします。バルティグループは通信、保険、農業が主力でしたが、バルティ・リテールを設立し、小売事業に進出しました。バルティとして230-420平米の小型店を7店舗開設済で、WMはここにグレートバリュー(PB)を供給予定とのことです。

マークス&スペンサーはリライアンスを提携先に5年で50店舗を計画、カルフールも09年を目指して準備中です。

インドの小売業は3千億-4千億ドル市場。02年に9万平米強だったショッピングモール総面積は07年には381万平米と急増、08年末で557万平米に達する見込みです。TOP10のマーケットシェアはわずかに1.3%(*3)、小売市場のほとんどを中小小売店が占めています。生活水準の向上と人口増加のW要因に恵まれ、10年間で2倍に伸びるとの予測も有ります。

しかしなぜTOP10の占有率が低いか、というと、インドは世界で最も多数の民族を抱えた国家なのですね。公用語の数、実に22.日本も相当に地域性の対応が難しいと言われますが、インドは想像を絶する状況です。但し、日本でも和風調味料の志向より洋風調味料の嗜好の方が遥かに地域差が小さく、これからライフスタイルを提案していく上では、地域差を乗り越える事は可能ではないかと思われます。欧米化に抵抗感が少ないことは、映画や外食の浸透からも伺えますし。

日本小売業協会でも来年、2回目のインド視察を計画しているとのこと。数年後には日本の小売業がインドに進出するかもしれません。ちなみにテスコの当初2年間の投資額は6千万ポンド(約110億円)。今年大和ハウス工業が開発しているSC、イーアスつくばの投資金額は290億円です。ある国に投資する2年間の投資額がそんなに少ないんだー、間接投資だとそんなもんなんだー、というのが当座の印象であります。

(*1)08年10月3日付日経MJより
(*2)インド国内の零細小売業を保護するためですが、
例外として単一ブランドの商品を扱う場合(高級ブランド等)は外資が51%まで出資できます。複数ブランドを持つ場合は出資できません(買収もNG)。ただし現金取引の卸売店は規制対象外のため、03年からメトロが進出しています。地場の小売店とのフランチャイズは可能です。今後、段階的に規制緩和されることが期待されており、部分進出しながら進出の準備段階のようです。
(*3)08年10月1日号のチェーンストアエイジより。
1位がパンタルーン社(店舗名ビッグ・バザール、フード・バザール。07年売上高15億ドル、1036店舗、店舗平均年商149万ドル)、2位がRPG(店舗名スペンサー・ハイパー、スペンサー・エキスプレス。売上高5億ドル、813店舗、店舗平均年商63万ドル)、3位がハヴェルズ(店舗名ハヴェルズ、売上高4億ドル、2222店舗、店舗平均年商19万ドル)。テスコと提携したトレントは10位(売上高1.5億ドル、47店舗、店舗平均年商311万ドル)、マーク&スペンサーと提携したリライアンスは5位につけています。

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今年8月、シュリラム・プロパティーズ(SP,*1)が、ショッピングモールの建設を計画していると発表しました。ムラリ取締役曰く、提携先は現在交渉中で、今後3,4年で15件のショッピングモール建設をチェンナイ、ビシャーカパトナム、コルカタに計画しているとのこと。1モール当り25億ルピー(約62億円)。

シュリラムのコア・ビジネスにリテールがないため、提携先としてリテールのどこかが入るか否かが気になります。ちなみにWal-Martは07年にBhartiと50-50でJVをスタートさせています。このBhartiもリテールを持っていますが、ドメインがtelecom, agribusiness, insurance and retailとなっています。

SPの既存の提携先には、ウォルトン・ストリート・キャピタル、スターウッド・キャピタル、SUNアポロがあり、住宅含む不動産市場を展開しています。

ASSOCHAM(インド商工会議所協議会)によると、インド国内で組織小売業は年20%成長をしており、今後3年で新規に315店舗のハイパーマーケットが出店する見込みとのこと。インドでのハイパーマーケットの定義は、「縫い針から自動車までの品揃えの大規模小売店」になっていて、出店定義は「大通りに面した2.5万-3万平方フィート(2500平米前後)とされています。自動車は必須品揃えなんですかね。鹿児島のマキオのようです。

現時点でハイパーマーケットに見合う商圏がある都市は212あるとされていますが、まだ出店が追いついていないようです(*2)。

(*1)Shriram Properties Ltd. Shriram Group企業で97年創業。曰く、the South Indian financial giant。
(*2)ASSOCHAMとKPMGの共同調査による



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